筋肉質で引き締まったボディ、ピンと立った耳、端整な顔立ちが凛々しいアラスカン・マラミュートは、最も古いソリ犬の一種として知られています。 重量級のソリや荷車を黙々と曳きながら、極寒の地域に住む人々のパートナーとして、暮らしを支えてきました。
1. アラスカン・マラミュートの特徴
アラスカン・マラミュートは頑強な骨格と引き締まった筋肉質なボディをもち、オオカミに似たシャープな顔立ちをしています。 シベリアン・ハスキーとよく似ていますが、体高はシベリアン・ハスキーが約60cmなのに比べて、アラスカン・マラミュートは一回り大きく、約70cmほどになります。 ピンととがった耳と、鋭い眼光が凛々しく、元祖ソリ犬というような風格があります。 雪の上で最重量級のソリを引く姿はとてもパワフルで、ダイナミックですね。 スピード感だけでなく、その力強さとスタミナに圧倒されます。 そんなかっこいいアラスカン・マラミュートですが、性格は穏やかで友好的であり、他の犬や人間の子どもとも仲良く暮らすことができます。 また、忠誠心が非常に強く、信頼した飼い主には、誠実に尽くしてくれるでしょう。
2. アラスカン・マラミュートの歴史
アラスカン・マラミュートは北極で活躍するソリ犬のなかでも最も古い犬種の一つで、原産はアラスカの北東部といわれています。 イヌイット(エスキモー)のマラミュート族がソリなどを曳かせていたという記録が残っていますが、正確な起源は明らかになっていません。 ゴールドラッシュに伴い、アラスカに大量に人が流入すると、ソリレースの人気が一気に高まりました。 アラスカン・マラミュートは、より軽くより速く走れる個体が求められ、他犬種との交配も行われました。 それにより、一時は純血の個体はかなり減り、絶滅の危機に瀕しましたが、1926年以降アメリカで純血種復活の運動が起こり、1935年にAKC(アメリカン・ケネル・クラブ)へ登録されています。
3. アラスカン・マラミュートを飼う時の注意点
被毛は濃く短いダブルコートで、抜け毛が多いのが特徴です。 丁寧なブラッシングを心がけましょう。 耐寒性に優れていますが、暑さには弱いので日本のような暑く湿気のある地域は非常に苦手です。 皮膚疾患も起こりやすくなるので、日ごろから十分にケアができる方でないとなかなか生活は難しいといえるでしょう。 また家族や仲間が大好きな性格のため、一人でいる時間が長いととてもストレスを感じてしまいます。 長時間留守番させる環境は避けたほうが良いでしょう。 子犬のころからしっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことで忠誠心の強い犬に育てることができるので、その点に留意して育てていきましょう。
おわりに
オオカミのような風格と、威厳のある立ち姿が魅力的な、アラスカン・マラミュート。 物静かな性格であり、人が大好きで、信頼した飼い主にはとても従順な犬種です。 ブラッシングや運動が多く必要であり、さらに一人が苦手な犬でもあるため、家族に迎える場合は毎日のケアやコミュニケーションがしっかりできる時間を確保してあげてくださいね。