ドッグランリニューアル
  • 犬の健康
  • 2025/10/08

犬が寝ないのはなぜ?考えられる原因と改善方法を解説

Photo

愛犬が夜に落ち着かない、寝てもすぐに目を覚ましてしまう……。 そんな姿を見て「大丈夫かな?」と心配になる飼い主さんは多いでしょう。 人間と同じように、犬にとっても睡眠は心身の健康を保つために欠かせないもの。 眠りが不足すると、体調不良やストレスにつながることもあります。 本記事では「犬が寝ない理由」と「安心して眠れるようにするための方法」を詳しく解説します。 まずは犬の睡眠の基本を知り、考えられる原因を確認することから始めましょう。

犬の睡眠の基本を知ろう

Photo

犬の睡眠時間は、人間と比べてずいぶん長いのが特徴です。 成犬であれば1日におよそ 12〜15時間、子犬や老犬ではさらに長く、18〜20時間前後眠ることも珍しくありません。 ただし、この睡眠は人間のように夜まとめて眠るのではなく、昼夜を問わず細切れで眠るのが一般的です。 また犬は、人間よりも浅い眠りが多いことも覚えておきましょう。 ほんの物音や気配で目を覚ましてしまうのは、野生時代から続く「警戒心」の名残です。 そのため夜間でも完全に熟睡しているわけではなく、何度か目を覚ますのは自然な行動とも言えます。 ただし「ほとんど眠れない」「夜中に何度も起きて鳴く」といった場合は、何らかの原因が隠れている可能性があります。 次に、犬が寝ない・眠れないときに考えられる原因を見ていきましょう。

犬が寝ない・眠れない主な原因

Photo

犬が眠れない背景には、生活環境から健康状態までさまざまな要因が隠れています。 ここでは代表的な原因を整理して紹介します。 ●環境要因(騒音・室温・明るさなど) ●運動不足や刺激不足 ●トイレに行きたい ●お腹が空いている ●ストレスや不安 ●生活リズムの乱れ ●健康上の問題(痛み・かゆみ・呼吸器疾患・認知症など) どのケースに当てはまるかを確認することで、改善の糸口が見つかるはずです。

環境要因(騒音・温度・明るさ)

犬は人間よりも敏感に環境の変化を感じ取ります。

外の車の音や人の話し声、近所の工事音などが気になって眠れないこともあります。

エアコンやテレビの音が常時響いている部屋も落ち着かない原因に。


また、室温や湿度が合わない場合も眠りを妨げます。

夏は25℃前後、冬は20℃前後が快適とされており、暑すぎたり寒すぎたりすると犬は眠れません。


さらに、照明が明るいままだと眠りにつきにくくなるので、夜は少し暗めの環境を作ってあげることが大切です。


運動不足や刺激不足

犬は本来、狩猟や探索をして暮らしていた動物です。

日中にしっかり体を動かしていないと、体力が余ってしまい夜に眠れなくなることがあります。


とくに若い犬や活動的な犬種では、散歩不足がそのまま不眠につながるケースが少なくありません。


また、身体だけでなく脳への刺激も必要です。

退屈が続くとストレスになり、夜に落ち着かずソワソワして眠れなくなることもあります。

知育玩具や簡単なトレーニングで頭を使わせることも、快眠につながります。


トイレに行きたい

夜に目を覚ます理由の一つがトイレです。

子犬は膀胱が未発達なため我慢できず、シニア犬も加齢で排泄のコントロールが難しくなります。


さらに寝床からトイレが遠い、シートが汚れている、場所が気に入らないといった理由でも落ち着けません。


就寝前に排泄を済ませたり、清潔で使いやすいトイレ環境を整えることが愛犬の快眠につながります。


お腹が空いている

空腹も眠れない原因になります。

夕食が早すぎたり量が少なすぎると、夜中にお腹が空いて起きてしまうことがあります。


とくに成長期の子犬や活動量の多い犬は食欲旺盛で、フードの調整が必要になることもあります。


場合によっては寝る前に軽めのおやつを与えることで、安心して眠れるようになるでしょう。


ストレスや不安

犬は環境の変化に敏感です。

引っ越し、家族の増減、来客、長時間の留守番などが続くと、不安から眠れなくなることがあります。

とくに飼い主と離れることに強い不安を感じる「分離不安症」では、夜鳴きや落ち着きのなさが目立ちます。

また、安心できる匂いや習慣がなくなると、不安で浅い眠りが続いてしまうこともあります。


犬が安心できる匂いや習慣を大切にし、落ち着ける空間をつくってあげることが重要です。


生活リズムの乱れ

人間と同じように、犬にも「体内時計」があります。

夜遅くまで遊んでいる、昼間に長時間眠ってしまうといった生活習慣の乱れは、夜眠れなくなる原因になるでしょう。


室内飼いの場合はとくに人間の生活リズムに大きく左右されるため、飼い主が夜更かししていると犬も起きてしまうケースが多いです。


毎日の散歩や日光浴で昼間に活動量を確保し、就寝・起床の時間を一定に保つことが快眠のポイントです。


健康上の問題

眠れない原因が病気や体の不調である場合もあります。


たとえば、関節炎による痛みや皮膚炎のかゆみで横になれない、呼吸器疾患や心臓病で呼吸が苦しいなどです。

こうした症状があると、眠ってもすぐに目を覚ましてしまいます。


また、シニア犬では、認知症の影響で夜中に徘徊したり、昼夜逆転することがあるかもしれません。

この場合は単なる「寝付きの悪さ」ではなく、治療や介護の視点が必要になることがあります。


動物病院に相談すべきケース

Photo

犬が眠れない原因の多くは環境や生活習慣によって改善できますが、中には病気や体の不調が関係していることもあります。 飼い主が見極めるのは難しいため、「いつもと違う」と感じたら早めに動物病院で相談することが大切です。 とくに注意したいのは、次のようなケースです。 ●数日以上続けてほとんど眠れていない ●呼吸が苦しそう、咳が増えている ●夜鳴きや徘徊が急に始まった(または頻度が増えた) ●食欲不振や体重減少など、睡眠以外の不調も見られる これらの症状がある場合、単なる「寝不足」ではなく病気のサインである可能性があります。 たとえば呼吸器疾患や心臓病は、横になると息苦しくなり眠れなくなることがあります。 また、皮膚炎のかゆみや関節炎の痛みも夜間の安眠を妨げる大きな原因です。 犬の睡眠トラブルは一見「ちょっとしたこと」に思えても、健康状態の変化を知らせる重要なサインであることが少なくありません。 大切なのは、普段の様子を観察し「いつもと違う状態」を見逃さないことです。

シニア犬の認知症

シニア犬になると、認知症(犬の認知機能不全症候群)が眠れない原因となることがあります。


昼夜が逆転して夜に徘徊したり、理由もなく鳴き続けたりするのは、認知症の代表的な症状です。

こうした行動が続くと犬自身が十分に休めないだけでなく、飼い主の生活にも大きな影響を与えてしまいます。


進行を止めることは難しいですが、早期に相談することで薬や生活習慣の工夫によって症状を和らげることは可能です。

気になる行動が見られたら、できるだけ早めに動物病院に相談しましょう。


子犬の体調不良

子犬は体の機能がまだ未発達なため、体調を崩すと症状が急速に悪化しやすい点に注意が必要です。

免疫力も低いため、ほんの少しの不調が命に関わる大きなトラブルへつながることもあります。


下痢や嘔吐、食欲不振、元気消失などが「眠れない」というサインと同時に現れた場合は、自己判断せずすぐに動物病院を受診しましょう。

子犬は体が小さいため脱水も進みやすく、一晩でぐったりしてしまうこともあります。


犬をぐっすり眠らせるための改善方法

Photo

犬が安心して眠れるようにするには、原因を取り除くだけでなく、普段の生活習慣や環境を整えることが大切です。 ここでは家庭でできる具体的な工夫を紹介します。 ●環境を整える ●適度な運動と遊び ●ストレスを減らす ●生活リズムを整える

環境を整える

犬の寝付きをよくするためには、まず物理的に快適な空間をつくることが大切です。

人通りの多い廊下やテレビの前では落ち着けないため、静かな場所にベッドを置きましょう。


室温や湿度も眠りに直結します。夏は25℃前後、冬は20℃前後を目安に、エアコンや加湿器を上手に使って調整してください。


また、夜は照明を落として薄暗くすると眠りやすくなります。

寝具も犬の好みに合わせると安心感が増し、丸まるのが好きな犬にはドーム型ベッド、伸びて寝たい犬にはマットタイプがおすすめです。


さらに、防音カーテンやカーペットを敷くと外の騒音や振動を軽減でき、犬が落ち着いて眠れる環境になります。

家族が夜更かしする場合も、犬の寝る場所だけは静けさを保つ工夫をしてあげましょう。


適度な運動と遊び

体も心も満足させることが、夜の快眠につながります。

散歩はただ歩くだけでなく、コースを変えて匂いを嗅がせることで脳の刺激にもなります。

活動量の多い犬は、散歩を1回増やすだけでも夜ぐっすり眠れるようになるでしょう。


さらに、知育玩具でフードを探させる遊びや、飼い主とのかくれんぼなどを取り入れると、頭も心地よく疲れます。

「体を動かす+考えさせる」の組み合わせが、質の高い睡眠に効果的です。


とくに雨の日など散歩が短くなるときは、室内遊びを工夫しましょう。

新聞紙におやつを隠す、タオルを使ったひっぱりっこなども良い刺激になります。

適度な達成感が得られる遊びは、犬の満足度を高め、夜の眠りを深くしてくれます。


ストレスを減らす

心理的な安心を与える工夫も忘れてはいけません。

飼い主とのスキンシップは、犬にとって何よりの癒しです。

穏やかな声かけや撫でる時間を日常的に持つことで、不安が和らぎます。

撫でてもらったり隣に座って過ごすだけでも、安心して眠れる犬は多いものです。


留守番が多い犬には、環境音を流したり、安心できるおもちゃを置いたりすると孤独感を軽減できます。

さらに、飼い主の匂いがついた毛布やタオルを寝床に入れておくのも効果的です。


また、日々の生活に小さなご褒美や楽しいルーティンを取り入れると、充実感が生まれます。

これにより犬は心を落ち着けやすくなり、夜もスムーズに眠れるようになります。


生活リズムを整える

体内時計を整えることも重要です。

起床・就寝・食事・散歩などをできるだけ一定の時間に行うと、犬の生活サイクルが安定しやすくなります。

逆に、日によって就寝が遅かったり昼寝が長すぎたりすると、夜眠れなくなる原因になります。


夜は静かに過ごし、日中にしっかり活動させることを習慣化しましょう。

とくに夕方以降にしっかり散歩を行うと、夜に自然と眠くなります。

食事や排泄のタイミングも一定にすることで、犬の体調管理にもつながります。


シニア犬では規則正しいリズムが安心感を与えるだけでなく、認知症の症状緩和にも役立つとされています。

生活リズムは「心身の安定剤」とも言える存在なので、家族の都合だけでなく、犬のリズムを優先して整えてあげましょう。


まとめ

Photo

犬が寝ない理由は、環境や生活リズム、ストレス、そして健康状態など多岐にわたります。 単なる生活習慣の乱れであれば、環境を整える・散歩を増やす・生活リズムを見直すといった工夫で改善できるケースが多いでしょう。 しかし、数日続けて眠れない、呼吸が苦しそう、夜鳴きや徘徊が急に始まったなどの場合は、病気が隠れている可能性があります。 放置すると犬自身が疲弊し、体調不良やさらなるストレスにつながるため、早めに動物病院へ相談することが大切です。 愛犬が安心してぐっすり眠れることは、健康を守るだけでなく、毎日の生活の質を高めることにもつながります。 普段から様子をよく観察し、小さな変化にも気づける飼い主でありたいですね。

Photo

ぷにぷにpaw編集部

動物看護師やトリマーの有資格者や愛犬家など犬が大好きな人が編集しております。 愛犬家の皆様に正しい情報をお伝えできるよう、わんちゃんについて日々勉強をしております。

ポータルサイトへ!

アカウントを作成しましょう

アカウントをお持ちの方はログインしてください。

アカウントを作成しましょう

アカウントをお持ちの方はログインしてください。

アカウントを作成しましょう

アカウントをお持ちの方はログインしてください。

アカウントを作成しましょう

アカウントをお持ちの方はログインしてください。

ログイン/会員登録が必要です。